うなぎを食べる日として有名な、夏の土用丑の日。土用丑の日の日程は、実は十二支と四立(立夏・立秋・立冬・立春)によって決まっています。
2024年~2028年 夏の土用丑の日カレンダー
2024年 (令和06年) | 7/24(日),8/5(金) |
2025年 (令和07年) | 7/19(火),7/31(日) |
2026年 (令和08年) | 7/26(火) |
2027年 (令和09年) | 7/21(木),8/2(火) |
2028年 (令和10年) | 7/27(水) |
丑の日がいつになるか、なぜ数年先の分までわかるのか?そもそもなぜ夏の土用丑の日にうなぎを食べるのか?土用と土曜は何が違うのか?それぞれ確認していきましょう。
土用丑の日は、年に4回ある
土用丑の日とは、その名のとおり「土用」の間で、十二支が「丑」の日のことをいいます。一言でいえば、『季節の変わり目である「土用」期間のうち、十二支が「丑」の日』が土用丑の日。ここでは、「土用」「丑の日」に分けて解説していきます。
五行に基づく土用、七曜に基づく土曜
まず「土用」とは、これは四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間のことを指します。つまり、実は土用は年4回あるわけなのです。なお「土用」は「土旺用事(どおうようじ)」の略。カレンダーで用いられる「土曜」と誤用されがちですが、土用は五行・土曜は七曜にもどつく分類であり、由来が異なります。
五行と「土用」
五行思想(ごぎょうしそう)または五行説(ごぎょうせつ)とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなるという説である。
木(もく):「春」の象徴。木の花や葉が幹の上を覆っている立木が元となっていて、樹木の成長・発育する様子を表す。
火(か):「夏」の象徴。光り煇く炎が元となっていて、火のような灼熱の性質を表す。
土(ど):季節の変わり目、「土用」の象徴。植物の芽が地中から発芽する様子が元となっていて、万物を育成・保護する性質を表す。
金(ごん/こん):「秋」の象徴。土中に光り煇く鉱物・金属が元となっていて、金属のように冷徹・堅固・確実な性質を表す。
水(すい):「冬」の象徴。泉から涌き出て流れる水が元となっていて、これを命の泉と考え、胎内と霊性を兼ね備える性質を表す。
土用(どよう)とは、五行に由来する暦の雑節である。(中略)五行では、春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を割り当てている。残った土気は季節の変わり目に割り当てられ、これを「土旺用事」、「土用」と呼んだ。
七曜に基づく「土曜」
七曜(しちよう)とは、肉眼で見える惑星を五行と対応させた火星・水星・木星・金星・土星と、日(太陽)・月(太陰)を合わせた7つの天体のことである。七曜星とも言う。(中略)
現在の週は七曜がもとになっている。本来の順番は、天球上の動きが遅い(=地球から遠い)順に、土星から始まり月で終わる(土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月)と考えられた。やがて土星を初めとして現在よく知られている順番(土星・太陽・月・火星・水星・木星・金星)で一日ずつを守護するとされ、七曜の内のある天体が守護する日をその天体の曜日と呼んだ。
うなぎを食べる風習が特に根付いているのは、『夏の土用丑の日』。これは、立秋前の土用の期間を指します。立秋は、毎年8/7ごろですので、例年大体7/20~8/6頃が土用ということになります。ちょうど梅雨明け後、海の日あたりが土用の入りになりますね。
十二支に基づく「丑の日」
一方「丑」は、十二支の丑を指します。十二支と言えば干支、つまり年ごとのイメージが強いですが、昔は日付を表す単位としても用いられていました。「土用」の期間で、日付が「十二支が丑」になる日 が、『土用丑の日』ということです。
土用が約18日間ありますが、十二支は12日間で一周します。その関係で、年によっては夏の土用丑の日が2日間ある場合があります。
土用丑の日は、平賀源内の販売戦略?
平賀鳩渓肖像:木村黙老著『戯作者考補遺』(写本)より
もともと天然ウナギの旬は、秋~冬とされています。うなぎは冬眠する動物であり、冬眠直前に栄養を蓄えるため、秋~冬が栄養満点でおいしいのです。では、なぜ夏の土用丑の日にうなぎを食べるようになったのでしょうか。
一説には、江戸時代夏にも鰻を売りたいうなぎ屋に対して、平賀源内が「土用丑の日」のチラシを貼るようにすすめたのが発祥と言われています。ネット上にも「平賀源内が土用丑の日の発案者」とする記事が多数存在していますが、正しくはよくわかっていないのが実態。
平賀源内が何かしらの形でかかわっていたのは事実のようですが、土用丑の日の風習自体はもっと昔からあったのではないか?とする説もあります。たとえば丑鰻考の著者・遠山英志氏は、著書で次のように述べています。
平賀源内説、大田南畝説について最初に結論をいうなら、いずれも丑鰻の創始者ではない。但し、その普及にあたって何らかの貢献をした可能性は残されている。(中略)「本日土用丑の日」と墨書したものは、専ら視覚に訴える幼稚な広告媒体に他ならない。(中略)その広告によって効果が大であったとするなら、既に受け手としての消費者の実感を呼び起こし、且つ巻き込むだけの背景が出来上がっていることを示唆している。ラジオもテレビも新聞・雑誌もない微弱な宣伝力しか持たない状況下、丑鰻が特定の個人の発送(或るいは広告)で普及したとは到底思われない。
出典:丑鰻考ー「丑日の鰻」の起源を探るー (文芸協会出版) P72
いずれにせよ、「夏の土用丑の日には鰻を食べる」文化は、江戸時代から脈々と受け継がれてきているものであることは間違いありません。
夏の土用は、毎年梅雨明け頃
それでは今年の夏の土用丑の日はいつなのでしょうか。ここでは、どーんと2050年まで調べてみました。2024年は7/24(水)・8/5(月)両日が土用丑の日です。
2016年 (平成28年) | 7/30(土) |
2017年 (平成29年) | 7/25(月),8/6(土) |
2018年 (平成30年) | 7/20(水),8/1(月) |
2019年 (令和01年) | 7/27(水) |
2020年 (令和02年) | 7/21(木),8/2(火) |
2021年 (令和03年) | 7/28(木) |
2022年 (令和04年) | 7/23(土),8/4(木) |
2023年 (令和05年) | 7/30(土) |
2024年 (令和06年) | 7/24(日),8/5(金) |
2025年 (令和07年) | 7/19(火),7/31(日) |
2026年 (令和08年) | 7/26(火) |
2027年 (令和09年) | 7/21(木),8/2(火) |
2028年 (令和10年) | 7/27(水) |
2029年 (令和11年) | 7/22(金),8/3(水) |
2030年 (令和12年) | 7/29(金) |
2031年 (令和13年) | 7/24(日),8/5(金) |
2032年 (令和14年) | 7/30(土) |
2033年 (令和15年) | 7/25(月),8/6(土) |
2034年 (令和16年) | 7/20(水),8/1(月) |
2035年 (令和17年) | 7/27(水) |
2036年 (令和18年) | 7/21(木),8/2(火) |
2037年 (令和19年) | 7/28(木) |
2038年 (令和20年) | 7/23(土),8/4(木) |
2039年 (令和21年) | 7/30(土) |
2040年 (令和22年) | 7/24(日),8/5(金) |
2041年 (令和23年) | 7/19(火),7/31(日) |
2042年 (令和24年) | 7/26(火) |
2043年 (令和25年) | 7/21(木),8/2(火) |
2044年 (令和26年) | 7/27(水) |
2045年 (令和27年) | 7/22(金),8/3(水) |
2046年 (令和28年) | 7/29(金) |
2047年 (令和29年) | 7/24(日),8/5(金) |
2048年 (令和30年) | 7/30(土) |
2049年 (令和31年) | 7/25(月),8/6(土) |
2050年 (令和32年) | 7/20(水),8/1(月) |
土用丑の日のうなぎは、早めの予約がおすすめ
そんな土用丑の日近辺は、うなぎ通販ショップも繁忙期。普段より発送に時間がかかることが多いです。土用丑の日当日においしいうなぎを食べたい方は、早めに予約をしておくことをオススメします。大半のうなぎが、1か月程度は賞味期限があるので安心です。